チョコとビールのおいしいベルギーに住んでウン十年。
ガンバをかついで旅することの多い日々。

美しい人に出会った。

 

その人は夜ご飯の時、ちょっと涙ぐんでいた。

歌を続けるべきなのかなって。

 

次の日の朝、わたしが裸足で散歩していると、

向こうからその人が歩いて来て、

なんで裸足なの?と聞いたので、

草が気持ちいいからデトックス、

ついでに木に氣をもらって来たんだよ、と言った。

 

わたしももらえるかなーって言うから、

もらえるよ、と言ったら、

目をキラキラさせて私が来た方に歩いて行った。

 

自分に向き合って悩んでいる人は、なんて美しいんだろうと思った。

あとでどうだった?って聞いたら、

もらえたよーとにっこりしていた。

 

 

自分の歌が嫌い、と言う人もいた。

でも、歌わずにはいられない。

心が泣いているようなその人も、美しい人だった。

懸命に自分を好きになろうとしていた。

 

自分の肉体が嫌いだった、と言う人もいた。

どうやって自分を受け入れるようになったか、

それを話しているその人も、

本当に美しかった。

 

 

自分の背中に「譜」という字を入れ墨している人がいた。

音は消えてしまうけど、楽譜は残って来たもの、

そしてこれからも残るもの。

だから、その楽譜が伝える音楽に忠実であることを

いつも思っていられるように、

背中に彫った、とその人は言った。

その顔があんまり美しくて、

わたしは泣きそうになった。

 

あの美しい人たちをひとりひとり思い出すと、

なんだか泣きたくなる。

美しかったなあ、と思って泣きたくなる。

 

若い人たちが美しい心で生きていて、

それに感動して涙ぐむって、

もしかして、ちょっとおばあちゃんになったのかもな。

 

あら、これは新しい発見でした。

 

 

 

 

 

 

 

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    マレを聞くと、にっこりしたくなる。

    マレを弾くと、泣きたくなることもある。

    悲しい曲はうんと悲しく、

    楽しい曲はうんと楽しい。

     

    人だからこそ感情があって、

    泣いてもいい、笑ったらいい、

    ださいのも愛おしい、

     

    そんな曲を書いたのが

    マラン・マレだ。

     

    音が胸に沁みる。

     

    いろいろな人への哀悼曲も書いた。

    いなかのお祭り、外科手術の様子など、

    人の営みを音楽にした。

     

    よこたみのる絵_0012.jpg

     

     

    自然界の嵐に荒れる海や

    船乗りたちの様子を音にし、

    当時の流行にもなった。

     

    洗練?

    それも素敵だけど、人は何に心を動かされるのか。

     

    天使のようにガンバを弾く、

    と絶賛されたマレの曲は、

    素晴らしく技巧的なだけではなく、

    ユーモアのセンスが顔を見せる。

     

    自分だけのためにこの曲を書いてくれた、

    そんなふうに誰もが思ってしまう、

    心動かされる作曲家です。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

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      なぜか留学直前に

      「一絃の琴」(宮尾登美子著)

      を読んで感銘を受けた。

       

      楽器を演奏する者は

      自分の芸の精進にのみ励み、

      孤高であっても良い、

      というような部分に、

      なるほどーと思ったものだ。

       

      ベルギーに留学して少ししたら、

      師匠に、

      かおりは誰のために弾いているの?

      と聞かれた。

      わたしは当然、

      自分のため、と答えた。

      だって、孤高に精進するんだから。

       

      師匠は?と聞き返したら、

      お客さんのため、と答えた。

      舞台で演劇を演じるようなものだ、と。

       

      普通の人には

      当たり前の答えだったかもしれないが、

      わたしにとっては、

      目から鱗のような答えだった。

       

      自分が

      孤高に努力する人間でありたい、

      と思った若者だったのには、

      非凡でもない生い立ちにせよ、

      なにか人生の課題があったからだと思う。

       

      そのせいか、

      せっかく目から鱗だったその答えが、

      頭から心や体に到達するのに、

      随分と月日が経った。

       

      精進しているうちに、

      自分一人の世界にいることに

      飽きた。

       

      自分という枠の中にいるのは、

      もういいんじゃない?と思った。

       

      まったく、ひよこが殻を破るような

      瞬間であったに違いない。

      つついてくれる人もいて、

      外の世界に出ました。

       

       

      やっと人のために弾きたいな、

      と思っています。

       

      遅くに殻から出たので、

      82才ぐらいまで

      バリバリの現役らしい。

       

      楽しみです。

       

       

       

       

       

       

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        | プロフィール | comments(6) | - |

        ベルギーでは

        曇り空の日が多い。

         

        アステリックスというマンガで

        アステリックスが一番怖いのは、

        空が落っこちて来ること。

         

         

        ベルギーの曇りの日の空は

        落っこちて来ると思われるほど

        雲が分厚くて

        氣が滅入る。

         

        そんな日に

        飛行機に乗って飛び立つと、

        雲を抜けた向こうに

        青空が広がっているのに

        びっくりする。

         

        あれ?

        雲の上は晴れなのか、

        と実感する。

         

        バッハの「フーガの技法」は

        雲の上の青空、

        そしてその先の宇宙に

        連れて行ってくれる

        大きな波のような曲だと思う。

         

        この音楽の波に乗っている自分は、

        青空の向こうに広がる宇宙につながっている、

        そんな氣がする。

         

        宇宙の中では小さい自分、

        小さいけど愛おしい自分、

        愛おしいのに自己嫌悪に陥る自分、

         

        その全部を

        宇宙の大きなエネルギーに

        ポーンと

        放ってくれるような、

        どの思いもみんな受け止めてくれるような、

         

        そんな氣にさせてくれる、

        宇宙からの贈り物の音楽だ。

         

         

         

         

         

        7月9日(日)14:30 開演

        会場:軽井沢コルネ

        長野県北佐久郡軽井沢町富ヶ丘 229

        筺0267−44−1230(大澤)

        karuizawa-cornet@abeam.ocn.ne.jp

         

         

        7月14日(金)19:00 開演

        会場:日本キリスト教団 広島流山教会・礼拝堂

        広島市中区上幟町8-30

        筺082-923-8332(猪原)、090-3375-3640(中野)

        peb00743@nifty.com

         

         

        7月15日(土)14:30 開演

        会場:カトリック福山教会

        福山市昭和町 7−26

         

        7月16日(日)15:00 開演

        会場:福山アライアンス教会

        福山市三吉町 1-8-5

        筺070-5304-6588

        jazztaishusha@gmail.com(ジャズ大衆舎)

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

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          | 音楽 | comments(0) | - |

          ガンバという楽器は

          弦が多いのと、フレットがあるのとで、

          響きが多い。

           

          その響きの多いガンバを何台も一緒に鳴らすと、

          耳には聞こえない倍音という波動が

          ものすごく増えるので

          ガンバコンソートという

          ガンバばかりのアンサンブルの

          そばにいると、

          響きによって体の波動が整えられる、

           

          と思う。

           

          実際、トレブルガンバを弾いている時、

          ひとりで旋律を弾くときより

          みんなで一緒に弾く方が、

          音がふくよかになる。

          響きが膨らむんだと思う。

           

           

          わたしが16世紀〜18世紀のガンバコンソートに惹かれるのは、

          その響きのふくよかさと同時に、

          あの時代の音楽を人々がどう捉えていたかに

          すごく感銘を受けるからだ。

           

          対位法 <Punctus contra Punctum(点に対する点)> は

          宇宙の天体の動きになぞらえて宇宙の真理を解き明かそうとしたもの。

          惑星は点であり、それぞれの惑星の関係は対位法となる。

          天体は宇宙の音楽として実際に音を出しながら廻っている

           

          この、天の音を地に降ろすという考え方が、

          わたしをこの時代の音楽の虜にさせている。

           

          楽譜の向こうに果てしない宇宙が広がっている気がする。

           

          Anon(作者不詳)という、ワタクシというものを残さなかった

          多くの作曲家が、ある時は幾何学的な、

          ある時はメランコリックな、

          いろいろな美しい音楽を残した。

           

          ちょっと聞くとわかりにくいメロディーや和声も、

          体になじませると、

          天の静かで大きな波動を感じるような気がする。

           

          そして、どのパートも主役の語り手であり、

          聞き手であるという、

          対話の音楽であることも、

          わたしには人生そのものに思え、

          この時代の人々の声に

          耳を傾けたくなる。

           

           

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