チョコとビールのおいしいベルギーに住んでウン十年。
ガンバをかついで旅することの多い日々。
I'm sorry, it's only in japanese...

さて、先に静かに寝ているクレールを起こさないように、

そろそろと隣のふとんに入った私は、

いつも通りに寝る前の深呼吸をしていた。

スーッと吸った息がぎくっと止まったのは、

寝室の横の廊下でやけに大きく

ミシッという音がしたからだ。

隣の家からとか、屋根からの音と言うには

あまりに近くて大きい。

わたしの目は漫画のように、顔から飛び出るようだった。

 

いやいや、何も怖いことはないと思って

閉じない目を無理矢理閉じたが、

こんどはトイレに行きたくなって来た。

怖くなんかないでしょう、と自分に言い聞かせて

寝室の横にあるトイレに行くため、

廊下に出る引き戸を開けようとふとんから出た。

出るなら出てこい!(え?OBK?)

しかし立て付けが悪いのか、

昼間は開いた引き戸が、硬くて全く開かないではないか。

 

無理にガタガタしたらクレールが起きちゃう、

と自分に理由をつけて開けるのを断念し、

階下のトイレに行った。

戻って来てふとんに入るが

やけに寒くてすぐにトイレに行きたくなる。

階下のトイレーふとんートイレーふとん

を何度か繰り返し、目の上にある<まぶた>だけ閉じて寝た。

(ちなみに、下に行く方の引き戸はするすると開くのだ)

 

以前フランスの古いお屋敷に泊まった時に

仲間のガンバ奏者ふたりとわたしは、

家に着いた途端になんだか怖くて

一睡もできない、トイレにも行けない、ということがあった。

フランス人の二人は、

怖いけどおばけは信じないと言っていたので、

今回もクレールには言わなかった。

寝られてるんだから、いいでしょ。

 

トイレとふとんの往復の後に朝が来て、

またその一日が終わりかけた夕方、

夕べの寝不足のせいで眠くなってしまい、

夜じゃないから大丈夫かな?と思って

ウトウトしに2階に行き、ふとんにごろんとした。

晩ご飯に出かけるまで、ちょっと寝ちゃいますよー、

と目を閉じた途端に、大きくゴトっと音がした。

またもや廊下である。

無視して寝続けるか?と思ったが、

眠気がふっ飛んでしまったので、

下に行ってクレールに、下の廊下を歩いた?と聞いた。

そしたらクレールが、かおりが上の廊下を歩いたと思った、

と言う。

そこで、フランス人なのにすぐに、

あっ!という顔になったクレールに夕べの話をし、

でもよく寝られたんでしょ?

と聞くと、実はそうでもないと言う。

OBKって、信じるの?と聞いたら、

Ouiと。

信じても信じなくても怖いなら、

信じた方がマシなのかどうかは定かではないが、

ふたりでふとんを運んで下の階に寝ることにした。

 

下の部屋は、なぜか上の部屋とは全然違う空気で、

あったかく静かに寝られた。

 

フランス人を京都に連れて行くのに、

古い民家って最高!と思っていたが、

今後は新しい部屋を借りよう、と

心に誓ったのである。

この家のオーナーへの感想を個人的に書いて送る時に、

2階の物音が怖かったことも書いてしまったので、

塩か何かでお払いしてくれたら、

また是非行きたいほどいいお家だったが、どうなさったかな。

イギリス人やスコットランド人だったら、

楽しめるかもしれないですね。

 

 

 

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    昨年の10月、

    毎年恒例である上野メモリアルホールに

    わたしのフランス人の友人であるソプラノ歌手

    クレール・ルフィリアートルを招いた。

    フランスのバロックカンタータのプログラムだった。

     

    (この時の歌がすばらしかったので、

    2020年の北とぴあでのオペラの主役で

    彼女は再来日することになった!)

     

    そのメモリアルホールの公演のあとに、

    これまた恒例になっている

    京都・四国ツアーに、クレールと一緒に行った。

    こちらは主にガンバ協会の方達がわたしを招いて下さる企画で、

    最初は「ガンバの音だけ聞きたいので、一人で来て下さい」

    というありがたーいお誘いだった。

    そのコンサートの後の打ち上げの席で、

    松山の近くの内子に和蠟燭を使う舞台があり、

    そこで是非聞いてみたい、と言われたので、

    フランスでろうそくだけ灯すコンサートを一緒に経験して来た

    クレールのことをすぐに思いつき、

    ふたりで来ます、という運びになったのだ。

     

    クラヴサンやリュートなど和音楽器なしで

    歌の伴奏をするのは初めてであったので、

    一年前からあれこれと準備した。

     

    前置きが長くなったが、

    そんな成り行きでクレールと共に

    多くのガンバ愛好家が待つ地へと

    旅が始まった。

     

    彼女とは、20年来の仲間で、

    いつでもいろいろな体験を共有して来た。

    わたしが、不在がちの夫との子育てで大変な時期、

    わたしの気持ちに共感した彼女が、

    舞台に上がる階段手前ですってんと転び、

    腕の骨を折ったこともあった。

    また彼女が大変な時期には何時間も話したり励ましたりと、

    会う度に話が終わらない友人だ。

    外人、という気がしない。

     

    そんな彼女は人情家で、

    問題を抱えた外国人の面倒を見たりして、

    旅の間中、リハーサルではできなかった近況報告話に花が咲いた。

    コンサートの始まる前はいつも一緒に

    Music for a while (ひとときの音楽)にあるように、

    音楽が人を癒すことに思いを馳せた。

    二人だけのコンサートというのは

    なかなか親密でいいものだった。

     

    わたしたちは京都では昔ながらの家を借りて

    1週間ほどレクチャーコンサートなどの合間に

    観光もした。

    京都らしい民家で、クレールだけではなく、

    わたしにも嬉しいたたずまいで、オーナーも素敵な女性だった。

     

    一緒の部屋に寝ても疲れない間柄だが、

    なんとなく初日は下と上の階に分かれて寝た。

    クレールは時差ぼけでしばらく寝られなかったので、

    先に上の階に行ったからだ。翌朝、よく眠れたーと言っていた。

    わたしも下にふとんを運んで普通に寝られたが、

    次の日は正規の寝室である上の階で、

    一緒に並んで寝ることにした。

     

    つづく。。。

     

     

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      仲良しのMienekeと一緒に

      テレマンのCDを録音していました。

       

      立っているとスラーっと背が高いけど、

      座るとわたしと同じぐらいの高さになっちゃう、

      足長さん。

       

      気遣いの細やかな、しかしたくましい人です。

       

      彼女とはいろんな共通点があります。

      同じ年、同じ曜日に生まれ、同じ年にガンバの学生で、

      同じ年に出産。

      父親の職業も同じ。

       

      辛いことがあると、こまめにメールをくれて

      優しい!

       

      彼女と話していると、

      留学して、彼女のような友人ができて

      本当によかったなあと思います。

       

      ところで、若い世代のガンバ弾きたちが

      「ガンバ弾きのお父さんはみんな変わってる(bizarre)」

      という話をしていました。

       

      曰く、子どもが4人生まれた後に、ホモであったことを告白して

      出て行っちゃった父。

      子どもができた途端に自信がなくて出て行っちゃった父2号。

      変人で母におん出された父3号、などなど。

       

      私の世代のガンバ弾きのお父さんのほとんどは、

      医者か牧師。

      牧師の子ども、多し!!!

       

      そしたら若者達が、

      「やっぱり変わってるね」と言いました。

       

      みんなそんな屋根の下でファミリーなんだなあ。

       

       

       

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