チョコとビールのおいしいベルギーに住んでウン十年。
ヴィオールをかついで旅することの多い日々。
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まだ音大の学生だった頃、

初めて日本に来日したアルノンクール、

ムジカ・アンティクワ・ケルン、

フランス・ブリュッヘンなどのコンサートが、

母校のエオリアンホールやメモリアルホールでありました。

 

その中でも印象に残っているのが

ムジカ・アンティクワ・ケルンを率いるラインハルト・ゲーベル。

 

コンサート後の打ち上げに連れて行ってもらって、

わたしは全身ミーハーと緊張の極地で、

エイゴの中に座っていました。

 

しかし、若きワタクシはその席で果敢に質問。

−あなたの録音にあるクープランのスルタンの解説に、

これは葬送の曲であると書いていますが、

なぜですか?

 

ラインハルト:この曲の最初に短6度の跳躍があり、

これは必ず死を表す、と。

 

−なぜ短6度は<死>なんですか?

 

:昔からそう決まっていて、

ヨーロッパではみんな知っているよ、と。

 

(今でもそう言った時の彼の、

オトコなのに色っぽい流し目を

思い出します)

 

その時留学しようと思っていたわたしは、

そういう共通の概念がヨーロッパでは

空間をひらひら飛び交っているようで、

すごいなーと思ったものです。

 

いや、そればかりか、

その概念が、

そこにいるだけでぱっと頭に飛び込んで来ると

ちょっと信じましたね。

 

正確には、短六度の跳躍とは限らず、

こういう音の開きは<感嘆>を表すそうです。

 

クープランの出だしの短6度の跳躍を弾く度に、

誰か死んだのかなあと思っていた私ですが、

最近改めてマラン・マレ作曲の

サント・コロンブのトンボー(追悼)を練習していて、

短6度はありませんでした。

ありゃ。

 

でも他に、悲しみを象徴する音形があちこちにあるので、

ミッケ!という本で子ども達と

あれこれ見つけ出しているような気分です。

 

ちなみにクープランの方も下降形で始まるので、

誰も死んでいなくても、

悲しいには違いないのかな。

 

とにかく若い時に、流し目と一緒に衝撃を受けたせいで、

それ以外にはなかなか思えないものです。

 

知ってどうする?短6度たち、

しかし、知るとなぜか嬉しい音による象徴。

 

<怖い絵>(中野京子著)という本があって、

絵の謎解きをしてくれていますが、

わかりやすくてとても面白いです。

 

 

音楽にも数字学や音形による表現があり、

その謎解きは<ムジカ・ポエティカ>という本などに

書いてありますが、

これはエイゴ。。。

 

音楽の謎解きの本も、だれかわかりやすく

日本語で書いてくれないかなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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