チョコとビールのおいしいベルギーに住んでウン十年。
ヴィオールをかついで旅することの多い日々。
I'm sorry, it's only in japanese...
くるくるの髪の毛に憧れています。
 
2年もかかって髪を伸ばし、黒人の髪の毛を目指して
パーマをかけたこともあります。
しかし、髪がわさわさするのがうるさくて、
ぎゅーっと結んでばかりいたので、
これじゃ短髪と同じだと思って
元のようにばっさり短く切りました。
 
前からうっとりと眺めていた、くるっくるの髪の
フランス生まれのチュニジア人チェリストと
ある朝食で一緒になった時、
チュニジアに行くことある〜?親戚いるの〜?
なんてのんびり普通の会話をしたつもりが、
 
家族はチュニジアに住んでるけど、
わたしは被りものしてないし、豚肉も食べちゃうから、
勘当されちゃって、行っても誰とも会ってないんだーって
普通に複雑な事情の答えが返って来ました。

チュニジアはイスラム教だものね。

 
そういえば以前、こちらもフランス生まれの
モロッコ人のマネージャーで
やはり髪の毛のゴージャスで美しい女の子が、
被りものをしていないので
メトロの中でアラブ系の男の人に、
軽蔑の目で見られると言っていました。
 
そこで思い出したのが、
わたしの出産の時に呼吸法を教えてくれた先生の
経験談。
 
あるアラブ人の女性の出産に付き添って
一緒に呼吸をしてあげていた時、
ちょっと笑いそうになっちゃった、

首から下はスッポンポンなのに、

頭だけきっちり被りもの付けてたんで、
なんだかシュールだった、と。
 
そのときちょっと思いました。
イスラム教の女性にとって、髪の毛を隠す被りものは、
彼女達の意識の中では
神さま云々はともかく、
わたしたちのお尻を隠すパンツのようなものなのかもな、って。
 
なかったら、恥ずかしいですわ。
 
あんなに素敵な髪だけど、
アダムとイブがりんごを食べちゃったから、
パンツは穿かないとね。
 


 

そんなわたしは息子の出産の時、
病院のひんやりする床で足が冷えてはいけない!
と5本指靴下をはいていました。
 
寝台に上がって生む時には脱ごう!と。

しかし、イタイイタイでそうこうするうちに

いつの間にかもう生む姿勢になっていました。
ほとんどスッポンポンの状態で
女医さんや看護婦さんがわたしを囲んで、
息をして、だの、息を止めて、だの。
 
その痛いさなかに見える、
宙に浮いたわたしの足に
黒い5本指の靴下。
 
ああ!ニッポン女性の間違った像を示している!
被りもの対5本指靴下!
 
痛くてそれどころではないワタシでしたが、
合間合間に、そんな思いが頭をかすめました。
 


 


 
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    小学生の頃,岩波少年少女文庫のとりこでした。
    長くつしたのピッピ、やかまし村の子どもたち。
    その中の「みどりのゆび」にベルギーに来てから再会しました。
    フランス語がオリジナルだったんだ!



     
    小5の息子のクラスに、
    シリアから命からがら脱出して来た人がふたり、
    お話をしに来てくれたそうです。

     
    自分たちがどうやって逃げて来たか,
    目の前でどうやって家族が死んでしまったか。
    今どんなふうにベルギーで暮らしているか。
     
    今ほど自分の指がみどりのゆびだったら!
    と思わない時はありません。


     


    わたしにできること、やりたいことはなんだろう?
     
    そんなことを思いつつ今朝、易を引いて読んでみたら,
    なんとなく、なるほどと思いました。


    <優雅さ・美しさ>
     
    太陽が柔らかく美しい光を放ちながら
    山の向こうに沈んでいきます。
    満月の明かりが川の水面にキラキラと輝いています。
    優雅で美しい世界が広がっています。
     
    優雅でいることは万能ではなく,
    物事の基礎となるものでもありません。
     
    また、水に映る月の光のようなもので、
    照りつける太陽のようなエネルギーに満ちたものではありません。
     
    しかし、優雅さは世界に潤いを与え,
    芸術的なインスピレーションを与えてくれます。
    芸術は、美しさが形となって現れたものです。

     
    例えば、音楽家が楽譜に命を吹き込むように、
    ダンサーが、踊りと一体となるように、
    画家が筆にすべてをかけて絵を仕上げるようなものです。
     
    この世界も、優雅さを持って、文化と伝統が築かれました。
    人と人との美しい絆の上に今の世の中が成り立っています。
    おかげで理想や人生の美しさを感じ取ることができるのです。
     
    (後略)










     
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    10月に上野のメモリアルホールと博多で
    「テレマンの見たパリ」
    というタイトルのコンサートを企画しています。
     
    そのプログラムの解説を書くのに
    只今勉強中です。
     
    あこがれのパリにやって来たテレマンは
    伝手を頼って、
    チェンバロの工房に泊まっていました。


    そこは、わたしの仲間であるチェンバリストが
    以前住んでいた辺りで、
    ちょうど彼が住んでいた頃にテレマンの曲のリハーサルがあり,
    もしかして、ここだったかも?

    などとわくわくし、
    いや、絶対ここだったよー、
    と決めつけていたことなどを思い出します。


    パリ四重奏の楽譜の裏表紙


    「パリにて
    作者はTemple(タンプル)の役所の門の向かいにある、
    チェンバロ制作者ムッシュー・Vater(ヴァテール)家に滞在 」


    その憧れのパリにわたしが初めて行ったのは、
    ウン十年前、
    La Petite Bandeのコンサートを聴きに行った時でした。
     
    ここがパリなのね!
    あの矢野顕子も歌っているパリ。
     
    そしてここが恋人達の歩くセーヌ川のほとり!
    そこを、歩いたんです。
    ふつうの友人と。
     
    たー、ちー、つーまらないー。
    あー、ここを恋人と歩けたらどんなに素敵かしらん。
    頭の中で恋人と歩いているつもりになって、
    隣を歩いている友人を無視しながら
    歩きました。
     
    いつかきっと本当の恋人と歩こう!
     

    ところがその友人とウン年後に結婚したのですから,
    なんだかご利益があったのか、セーヌ川?
     
    あの時はごめんね、オット。
     
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      | 作曲家 | comments(0) | - |
      3月に企画したコンサートでは、
      16−17世紀のイギリス音楽を代表する作曲家
      フェラボスコ親子を取り上げました。
      有名だったお父さんフェラボスコ。
      これぞ本場のポリフォニー音楽だ!
      とイタリア音楽の良さをイギリスに運んで来たイタリア人です。
      同時代で名を馳せたイギリスの巨匠バードなどにも絶賛されました。
       
      音楽が天文学や数学と同じカテゴリーだった時代の
      バリバリ現役の人。
      惑星がそれぞれの音楽を発しながら回っている
      と考えられていた時代を担っている音楽作り。
       
      そして息子は残っている楽譜からしか
      存在を確かめられないけれど、
      新世代の流行であった、
      人間のメランコリーたっぷりの音楽作り。
       
      この新旧の音楽を対比させる親子一緒のプログラムを思いついた時は、
      なんとなくお父さんに手ほどきを受けた息子、
      と思っていました。
      しかし!
      調べてみるとお父さんは息子が生まれた後すぐに、
      知り合いの音楽家に後見を託して、
      イタリアに帰っちゃった。
       
      全然子育てしてない!
      それにお父さんはスパイだったそうで、
      ばれてイギリスに戻れなくなったという話あり。
       
      もしかしてイタリアに家庭があったのかも?と
      思わず想像してしまいます。
       
      天界の音楽を降ろす高尚な音楽性と、
      人間模様にまみれた現実。。。
       
       
      そして、お父さんに会えず出生も明記されずに、
      しかし時代の先駆者的な曲をたくさん残した息子よ!
      なんと健気であったことか!
       
      音楽辞典も紐解いていると
      そこに思わぬ人間ドラマ?を発見し、
      その人生を想像していると、
      いつのまにか昔夢中になっていた
      少年少女文庫のお話しのようになっています。
       
      息子フェラボスコ、幸せな人生を送っていたかなあ。
      メランコリーな想いは
      たっぷり音楽で昇華できたでしょうね。
      あんなに胸きゅんな曲いっぱい書いたものね。
       
      ガンバそのものがメランコリックを得意とする楽器ですから、
      フェラボスコとガンバの組み合わせは最強なメランコリック!
       
      失恋の際には一曲どうぞ。


       
       
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        | 作曲家 | comments(0) | - |
        ツマである昭和のアイドル山口百恵さんを褒めた、
        オット三浦友和さん曰く、
        彼女は毎日子ども達のためにお弁当を作った、と。
         
        ワタシも作ってます!
        超手抜きながら娘が3才の時から
        今では息子と二人分作って、
        この道13年。

         
        この苦労のお弁当を!
        なぜか最近息子が手を付けずに持ち帰り。。。
         
        最初から、のりの巻いてあるおにぎりは、
        学校の友だちに、
        「おまえ、うんこ食ってる」
        と言われて以来厳禁でしたが、
        超シンプルなサンドイッチまで食べてこないと、
        さすがに頭に来る。
        時間切れだった、とかお腹すいてなかったとか言ったって
        なんで食べないんだ!とわたしはプンプン。

        そこでお弁当を作らない余裕のオットが
        しみじみふたりっきりで話を聞いてみたら、
        のりはともかく、最近はお肉も
        それはHALALなのか?と聞かれたと。

         
        学校のほとんどの生徒がアラブ人の息子の学校では、
        アラブの祭日になると、 ほとんど生徒が学校に来ません。
        もちろん彼らは豚肉を食べませんし、
        羊や鶏肉も、特別な方法でさばいた肉しか食べません。
        それが、ハラルの肉ということです。
        普通にハムはさんだサンドイッチでも、
        豚ですしね、うちは。


        それで、息子は来年度からは給食にしたいと。

        ベルギーでは、昼食は給食、お弁当、家に帰って食べる、

        というふうに、3つの選択ができます。
        うちは、乳製品の多い食事が苦手なのでお弁当でしたが、
        ついに給食にするか?
        息子と仲良しのロシア人やエクアドール人は給食だし。

         
        ある日、担任の先生と話す機会があり、
        お弁当の話をしました。
        そしたらすぐに、
        クラスの意見箱に、
        その話を入れたらいいと。
        どこまでが人に意見されることなのか、
        しっかり自分の線を引いて、
        ここから先は何も言われる筋合いではないということを、
        きちんと言えた方がいいと。


        その話を息子と一緒にして、
        ふたりでなるほどーと思いました。
         
        イスラム教の子ども達にとっても、
        他の宗教や文化を持つ人達の習慣や自分たちとの違いを知ることは
        すごくいいことだ!とわかったんです。
         

        急に晴れ晴れとした顔になった息子は、
        もう意見箱に手紙を入れて話し合わなくても、
        のりのおにぎりを持って行くと言いながら、
        ちゃんと意見箱に食べ物の話を書いて入れて、
        クラスで話し合ったそうです。

         
        遠慮や気遣いをするニッポンの正しい子どもであると同時に、
        自分の立場をはっきり説明できて、
        みんなとわかりあっていくという
        インターナショナルな未来を担う若者として、
        息子たちはこんなふうに学び、
        同時に私自身にとってもいい経験でした。

         
        まずはコミュニケーションですね。
         
        今では、わざわざ別に包んだのりを持って行き、
        いろんな子がくれくれ、と人気です。


        貴重なのりだけど、
        けちけちしないで持って行かせるか。


         

         
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